店舗紹介 Locations

エヌプラス > 店舗紹介 > fattoria da Cosimo(ファットリア ダ コジモ) > インタビュー

fattoria da Cosimo(ファットリア ダ コジモ)

福岡市南区の住宅街に佇む焼菓子専門店。イタリアへ渡り料理を学んだ薙野耕平さんが、「自然」「記憶」「温もり」をテーマにした店を開きたいと考え、この3つのテーマにハマったヨーロッパの焼菓子「ガトー・ピレネー」を提供している。

南区 スイーツ・カフェ
  • #スイーツ
薙野 耕平

平成12(2000)年/調理師科2年コース

薙野 耕平 氏店主

1977年生まれ、福岡県出身。1999年より、フランス料理店「プロヴァンス」(福岡・赤坂)で経験を積み、学校卒業後は「IMURI」(福岡・谷)へ。2005年よりイタリア・マルケ州「La Madonnina del Pescatore」(ミシュラン2つ星)、イタリア・プーリア州「Il Poeta Contadino」(ミシュラン1つ星)で修業。帰国後、2009年からイタリア料理店「グロッタ・ロッサ」(福岡・店屋町)でシェフを務め、2013年に「fattoria da Cosimo」をオープン。

 

――薙野さんが料理人をめざしたきっかけを教えてください。
大学生の頃、アルバイトしていたイタリア料理店で料理にはまり、大学を2年で辞めて料理の世界に入りました。ナカムラに決めたのは、福岡でいちばん規模が大きいと感じたから。安心感がありましたね。
 
――イタリアで料理修業をされたそうですね。
27歳から2年半かけてイタリア各地をまわりました。マルケ州で1年、ミラノで半年、最後の1年をプーリア州で過ごしました。長く暮らさなければ何事も分からないだろうと、じっくり1つの場所でお給料をいただきながら生活していましたね。30歳で帰国してからは、いくつかの店を手伝った後、「グロッタ・ロッサ」のシェフを約4年務め、2012年に「fattoria da Cosimo」をオープンしました。
 
――「fattoria da Cosimo」をオープンしたきっかけを教えてください。
「グロッタ・ロッサ」にいた頃、いろいろと試作している中で、「ガトー・ピレネー」と出会ったことですね。帰国して自分で何かするなら、「自然」「記憶」「温もり」をコンセプトに持つものをしたいと考えていた私は、トラットリアをするにしても、その他のことをするにしても、この3つの要素があればいいのかなと思っていたんです。その要素を持ち合わせる「ガトー・ピレネー」と出会ったことで、店を出そうと決めました。
 
――ブランディングの進め方なども教えてください。
何をするにも同じですが、私が大切にしているのは、“売れるものづくり”ではなく、“伝えたいものづくり”です。「ガトー・ピレネー」の店を出すにあたり、プロット、背景をしっかり組み立てることからスタートしました。フランスでは薪を用いますが、私の場合は炭で2時間くらい掛けて焼き上げています。完全に手づくりで20層ほどになるため、縁起がいいと喜ばれることも多いですね。一般的なバームクーヘンよりしっかりした味わいがあり、遠方からわざわざ店を訪ねてくださる方もいらっしゃいます。店を構えている高宮という土地の雰囲気も気に入っているんですよ。
 
――高宮駅の高架下で人気のトラットリア「イタリア食堂SACCO」もオープンしていますよね。
はい。イタリアに住んでみて、現地の食文化をきちんと発信したいという思いが芽生えました。日本では、“トラットリア(食堂)”と“リストランテ(レストラン)”の要素が混ざっている店もありますが、ヨーロッパでは、“食堂”と“リストランテ”は違うもの。2つあってヨーロッパの食文化だと思うので、次はリストランテを出店したいと思っています。
 
――今も度々イタリアに行かれているとか。
私がカタチにしたいのは、創作にならずに本物をまっすぐに伝えることです。ただ、日本にいる限り本物をまっすぐに伝えようという心持ちがなければ、すぐにぶれてしまうのではないかと思っているんです。なので、年に1度は、姿勢を正すためにもイタリアを訪ねるようにしています。現地では、まだ日本で知られていないイタリア料理を習得するなど、何度行っても新しい発見があるんですよ。そういうものをどんどん日本で発信できればと思っています。
 
――ありがとうございました。
 

 

食の世界に入りたいと思うのであれば、できるだけ早い時期に自分が習いたい国の料理に接した方がいいと思います。いつ行っても遅くないとは思いますが、思い切って飛び込んだ方が近道なこともありますから。今の時代、どうにかなりますから、怖がる必要はありません。情報も収集しやすいですし、すぐに行動した方がスッキリすると思いますよ。

pagetop