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ravi(ラヴィ)

2024年11月、福岡・六本松の住宅街にオープン。店名は、フランス語で「心を奪う」「喜び」「人生」を意味する言葉に由来し、「人生の中の特別なひとときに寄り添う菓子を届けたい」という思いが込められている。イートイン限定のアシェットデセール(皿盛りのデザート)も好評。

中央区 スイーツ・カフェ
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  • #ケーキ
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野見山 匠

平成26(2014)年/製菓技術科(2年)

野見山 匠 氏オーナーシェフ

1993年、福岡県古賀市生まれ。高校3年生のとき、偶然観たドキュメンタリー番組をきっかけにパティシエを志し、ナカムラへ進学。卒業後はホテルニューオータニ博多を皮切りに、「パティスリー・ジョルジュマルソー」「ANAクラウンプラザホテル福岡」「Nishimura Takahito La Cuisine creative」で研鑽を積む。スーシェフとして後輩の指導や商品開発も経験し、現場を俯瞰する視点と応用力を磨いた。2024年11月、福岡市六本松に自身の店『ravi』をオープン。フランス菓子の伝統をベースに、素材の魅力と自らの技術を活かした生菓子と焼菓子を展開している。

 

――パティシエを志したきっかけを教えてください。
高校3年生の体育祭が終わった頃、進路を考えていたときに、たまたま観たドキュメンタリー番組に登場した東京のパティシエに感動したんです。当初は大学進学を考えていたのですが、「こんな世界があるんだ」「かっこいいな」と直感的に惹かれて、そこからパティシエを目指すようになりました。
 
――ナカムラを選んだ理由は?
正直、ナカムラ一択でした。福岡が好きで、県外に出るつもりはなかったですし、親にも「ナカムラがいいんじゃない?」と勧められて。実際にオープンキャンパスに参加して、設備や雰囲気を見て、ここしかないと思いました。
 
――学生時代で印象に残っていることは?
入学当初は本当に何もわからず、週3回の実習と週2回の座学を受けても最初は先生の言っている話がちんぷんかんぷんでした(笑)。でも、理論や衛生管理、経営といった座学の内容は、現場に出てから本当に役立ちました。今でも「もう一度授業を受けたい」と思っています。また、1万人を動員した学園祭や、3ヶ月間のフランス研修も大切な思い出です。フランス菓子の世界観を肌で感じることができた貴重な経験でした。



 

 

――卒業後のキャリアを教えてください。
最初はホテルニューオータニ博多のペストリー部門で5年半働きました。その間にシェフが4人も交代するという珍しい経験をし、それぞれのやり方を学べたことが大きな財産となっています。次に「パティスリー・ジョルジュマルソー」で約2年。想像を超える忙しさの中、スピード感と集中力を鍛えられました。その後、「ANAクラウンプラザ福岡」にスーシェフ的な立場で入社。後輩指導や新商品の開発にも携わりました。思い描いた通りに現場が回ったときの達成感は格別で、ここで「学ぶ側」から「教える側」へと意識が変わっていきました。
 
ちょうどその頃、独立を考えていたのですが、福岡を拠点に活躍する西村貴仁シェフに声をかけていただき、「Nishimura takahito Cuisine」で約1年働くことに。セントラルキッチンでの仕込みや、レストランでのサービス、料理の現場も経験しました。韓国出店に伴う出張にも同行し、“あるものでなんとかする”というサバイバル力が身についたと感じています。即興的な発想力や臨機応変な対応力は、今の仕事にも活きていますね。
 
――お店のコンセプトを教えてください。
店名は3つのフランス語「ravir(心を奪う)「ravi(喜び)」「la vie(人生)」に由来しています。「人生の中の特別なひとときに寄り添う菓子を届けたい」という思いを込めました。ケーキは全体的に甘さを控えめにしていて、1つで終わらず、2つ3つと食べたくなるような軽やかさとバランスを意識しています。また、パティシエとしての技術がもっとも試されると思っている焼菓子にも力を入れていて、これからさらにラインアップを増やしていきたいと考えています。
 
――お店の雰囲気やレイアウトについて教えてください。
ショーケースには常時10種前後の生菓子を並べていますが、ぎっしり詰め込まず、各種1つずつを丁寧に配置。空間を大切にしたディスプレイで、お菓子がより引き立つよう意識しています。店内にはイートインスペースもあり、アシェットデセール(皿盛りのデザート)も提供しています。温かいスイーツやアイスなど、テイクアウトでは体験できない“できたて”の美味しさを味わってもらえるよう工夫しています。
 
――今後の目標は?
まずは、長く愛される店であること。そのためには、お客様だけでなく、生産者や取引先、地域の方々との関係性を大切にして、信頼される存在になっていきたいと思っています。
 
——ありがとうございました。
 

パティシエになって11年、念願だった自分のお店を持つことができました。この道は楽しいけれど、地道な努力の積み重ねです。学生のうちは、基礎をしっかり身につけてください。「なぜそうするのか?」を考える習慣が、後で大きな力になります。夢は、諦めなければ必ずカタチになります。一緒にこの世界を盛り上げていきましょう。

 

 

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