ナカムラを卒業後上京し、中華料理の世界で研鑽を積んだ店主・小鶴清史さん。「東京でいちばんになりたいと思い上京しましたが、7年ほど経った28歳の頃、競争が激しい世界で戦うよりも自分にしかできない料理、自分だからこそできる料理で勝負しようと考え始めました」と、小鶴さんは振り返る。自身のルーツを振り返り導き出したのは、故郷・熊本で漁師をしている父が捕った鮎を使った料理を提供すること。とはいえ、鮎には禁漁期があり、鮎がとれないシーズンの名物としてジビエを据えた。料理はおまかせコースのみ。春は山菜、夏は鮎、秋は茸、冬はジビエといった具合に、その時期に旬を迎える食材でコースを組み立てる。東京にいながらにして山の料理を味わえる店として、食通たちからも高く評価されている。