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幽玄

近鉄「大阪上本町」駅から徒歩約5分。大阪の伝統野菜や地元・福岡の季節の野菜や、柳橋連合市場(福岡)から届く旬の魚介などを用い、伝統的な「技」と茶懐石の「心」を大切にした懐石料理を楽しませてくれる。

関西 和食
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三船桂佑

平成17(2005)年/調理師科2年コース

三船桂佑 氏店主

1985年福岡県福岡市生まれ。ナカムラを卒業後、大阪の味吉兆グループに入社。「味吉兆大丸心斎橋店」や「味吉兆ぶんぶ庵」で研鑽を重ね、うち最後の5年間は料理長を務めた。2019年6月、大阪・上本町に「日本料理 幽玄」を開業。『ミシュラン京都・大阪2021』で早くも一つ星を、『ミシュラン・ガイド2024』では二つ星を獲得した。

 

――料理人を志したきっかけを教えてください。
子どもの頃から料理をすることが好きで、母から包丁を持たせてもらったりもしていました。ただ、当時は自分の中で料理を仕事にするという意識がなくて。高校卒業後の進路を悩んでいたとき、母から料理の専門学校に行ってみたら?とアドバイスされ、料理人をめざすことに決めました。
 
――ナカムラを選んだ理由は?
地元で學校選びをする際、ナカムラは福岡でいちばん有名でしたし、オープンキャンパスにも2回参加し、しっかりとした学校だと感じたため、ナカムラを選びました。
 
――どんな学生生活を送っていましたか?
振り返ってみれば、私はエリート街道を歩んできたわけではないんですよね。成績もトップではありませんでしたし、実技テストも再試を何度も受けていて、先生から「全然アカンな」と呆れられていました。ただ、当時も今も先生とは仲が良くて。先生たちは面倒見が良く、生徒と先生の距離が近いところもナカムラの魅力だと思います。
 
――和食に進もうと思った理由は?
入学当初はイタリアンに進もうと考えていましたが、特別講師として来られた「味竹林」の竹林さんの人柄に惹かれたことがきっかけですね。ただ「味竹林」さんは、実習先や就職先としても人気があり狭き門でした。先生に相談すると、竹林さんの修業先でもある「味吉兆」を紹介され、2年生の夏の校外実習で「味吉兆」へ。卒業後、福岡に残るか大阪に行くか最後まで迷いましたが、先生からの後押しもあり卒業後は大阪で挑戦することに決めました。
 
――卒業後の進路を教えてください。
校外実習でもお世話になった「味吉兆」に就職し、「味吉兆 大丸心斎橋店」(現在は閉店)に配属されました。その後、「味吉兆ぶんぶ庵」に移り、トータル13年間を味吉兆グループで学ばせていただきました。28歳のときには「味吉兆ぶんぶ庵」の料理長に就任。5年間を料理長として過ごし、2019年6月に『幽玄』をオープンさせました。
 
――『幽玄』はどのようなお店ですか?
「味吉兆」で修業したこともあり、歳時記を取り入れた四季折々の懐石料理をお楽しみいただけるお店です。また、なにわの伝統野菜や近隣の農家さんから届く季節の野菜、地元・福岡の柳橋連合市場から仕入れる魚介など、主に自分が育ち学んできた地域の食材を使って料理しています。日本酒は九州を中心に全国から15種ほどご用意しております。
 
――今後の意気込みを教えてください。
日本料理=京都のイメージを強く持たれがちですが、大阪にも「なにわ料理」と呼ばれる文化が息づいています。食材も豊かですし、日本料理といえば大阪というイメージを持っていただけるよう、大阪の日本料理を盛り上げていきたいなと思っています。2025年には大阪・関西万博もありますし、大阪の日本料理も凄いぞ!ということを世界に知っていただけるよう、努めていきたいですね。
 
——ありがとうございました。

 

近年、料理人をめざす人自体が少なくなっていることに寂しさを感じています。最近ではSNSが発達し、本当にたくさんの情報が入ってくると思うので、それらの情報を参考に、県外に出てチャレンジして欲しいですね。一流の料理人になるには、学生時代、修業時代、そして独立してからも、常に勉強し続けなければなりません。まずは学生のときから勉強をしておくことが大事です。頑張ってください。

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