ご夫妻ともにナカムラの卒業生であるが、学生時代は接点がなく、修業先で出会ったという竹之内亮太さんとリエさん。それぞれに日本料理の道で研鑽を重ね、2009年1月、福岡市内の高宮通りに『和外伝 ぜろ』を開業した。「料亭や懐石料理の店で経験を積んできたので、アラカルトをしたことがありませんでした。けれど、地域に根ざしたお店にしたいと考え、“ぜろ”から始めるという意味で、この名前にしたんです」と、亮太さんは当時を振り返る。オープンから10年以上が経ち、この店は名実ともに地元で愛される店に。「修業してきた店に比べると、リーズナブルな価格帯です。けれど、本格的な懐石をご提供させていただいているという自負があります。お祝いなどの特別な日も、仕事帰りの1杯も、さまざまなシーンで本格的な懐石を楽しんでいただきたいですね」。これからも、地元の街で愛され続ける店であるために、ふたりは今日もたゆまぬ努力を続けている。