ナカムラに入学する直前まで理学療法士として病院に勤務していたという福島静佳さん。「理学療法士はお年寄りを抱えるといった体力を使う仕事もあって、病気から回復して理学療法士に戻るのか、ケアマネージャーに移行するのかを悩んでいました。一方で、長年、障がい者の雇用をしたいという夢があり、漠然とパンの世界に進むことを考え始めたのです。ベーカリーで働くのか、学校に行くのかを悩んでいたときに、ナカムラに見学に行き、パン学科の先生に相談すると、「大丈夫！」と背中を押され、ナカムラに通うことになったのです」と、福島さんは当時を振り返る。入学したのは令和2（2020）年の春。当時はコロナ禍だったので、大変なこともあったが、そんな中でも有意義な学生生活を送ったという。「3月に卒業するときには、この店舗を引き継ぐことが決まっていました。パン職人としての経験もほとんどなく不安もありましたが、せっかくいただいたチャンスでしたし、ここで経験を重ねて、夢を叶えていきたいと思ってます」。福島さんの挑戦は、まだ始まったばかりだ。