——庄島さんが料理人を志したきっかけを教えてください。
子どもの頃から釣りが好きだったんです。魚を触っているのが好きでしたので、その延長で和食の料理人になりたいと思うようになりました。
——ナカムラを選んだ理由は? また、学生時代の思い出を教えてください。
ナカムラは設備も整っていましたし、歴史のある学校でしたので安心感がありました。学生時代で覚えているのは、特別講師で全国から有名な方が教えに来てくださっていたことです。在学中はさまざまな賞をいただいたりもして、とにかく料理を学ぶことが楽しかったですね。
——卒業後はどのようなキャリアを築いてこられたのでしょう。
卒業後は「京都吉兆 嵐山本店」で3年半ほど修業させていただきました。その後、唐津の「花菱」などで研鑽を重ね、独立直前はここのすぐ近くにあった久保田産婦人科の和食の監修をさせていただき、2010年11月に『料理や 味蕾』を開業しました。
——『料理や 味蕾』は、どのようなお店ですか?
懐石料理でもなく、京料理でもなく、“お料理”を楽しんでいただきたいとの想いから「料理や」と名付けました。新鮮で美味しい食材を、京都で学んだ技を使ってより美味しくなるよう手を入れてあげるという感じですね。野菜は糸島産、魚介は玄界灘で獲れる近海のものを中心に旬の食材を使用しています。とはいえ、九州産にこだわっているわけではありません。ホタルイカは富山や兵庫から取り寄せるなど、その時期にいちばん美味しいものを使い、季節を感じられる料理づくりを心がけています。
——どのようなお客様がご利用されていらっしゃいますか?
近隣にお住まいの少しご年配のご夫婦など、食事を楽しみたいというお客様が多いように感じます。ビルの2階という場所柄、通りすがりというよりは、この店をめざして来てくださっている方がほとんどです。
——今後の展望について教えてください。
オープン当初より夫婦ふたりでやってきました。今のままアットホームな雰囲気のお店でありたいと思いますね。料亭で出しているような料理をカウンターで食べていただけるということが、皆さんに伝わると嬉しいです。
——ありがとうございました。
私は、将来、自分のお店を持ちたいという夢を抱いてナカムラに入りました。夢が叶い、独立して自分のお店を持った今思うことは、「お店を持つことよりも、続けていくことの方が大変」ということです。料理が美味しいだけでは続けていくことはできません。資金繰りやリピート率、新規顧客の開拓など、さまざまなことが求められます。お店を持つことは、ゴールではなくスタートであるということを、皆さんに伝えたいと思います。