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石堂橋 白つぐ

由緒ある寺院が並び、昔ながらの博多の風情を残す旧市街の一角に佇む。国内外で活躍した店主・白次亮一さんが2007年12月にオープン。お昼の御膳は2000円〜、夜はコース7500円〜のほかアラカルトもあり、様々なシチュエーションで利用できる。

博多区 和食

平均予算:昼2,000円〜、夜9,000円〜

  • #日本料理
白次 亮一

平成5(1993)年卒業/調理師科1年コース

白次 亮一 氏店主

1973年生まれ、福岡県出身。中村調理製菓専門学校を卒業後、「菊乃井」(京都)で7年間の修業を重ね、その後は東京やオーストラリアで料理の腕を磨く。帰国後、2007年12月、博多区中呉服町に『石堂橋 白つぐ』をオープン。2011年9月、現在の場所に移転した。

 

——白次さんが食の世界を志したきっかけを教えてください。
高校生の頃、居酒屋でアルバイトをしていました。当時は目標もなく、とりあえずアルバイトするなら居酒屋かなという程度だったんです。それから将来を真剣に考えるようになったのですが、人に使われるのも嫌だし、大きな組織で働く自信もなくて。真剣に考え抜いた結果、手に職を付けて自分で商売をしようという結論になり、料理の世界を志すようになりました。
 
——ナカムラ時代はどのように過ごされていましたか?
在学中のアルバイトも、ちゃんと学べるところと考えていたので、両親に相談したところ「浄水茶寮」というお店があると教えてもらい、家族で食事に伺いました。田舎育ちの私は、その洗練された料理に感動し、その場で「アルバイトをさせて欲しい」と懇願し、その後、アルバイトをさせていただきました。将来に危機感を抱いていたので、とにかく勉強もしましたし、自ら学ぼうと取り組んでいけばいくほど、料理の世界が広がっていくことを感じました。学校もちゃんと通っていましたし、アルバイトも一生懸命していましたね。寝る間を惜しんで、「浄水茶寮」の後にバーで働いたりもしました。そんなふうに頑張ったからこそ、自分のことも好きになれましたし、自分のために一生懸命になることの楽しさを知ることができたと思っています。
 
——卒業後はどのようなキャリアを築いてこられたのでしょうか。
日本や和食の歴史や文化を学びたいとの想いから、京都の「菊乃井」に就職しました。自分が何かをしたいというのが明確にあったわけではなく、自分にとってできることとできないことがあって、できないことをできるように、目の前にある課題をクリアしていく。その繰り返しでしたね。そうやっていくうちに全体像が見えてくる——そこに至るまでに7年間を要しました。 
その後は、姉を頼って東京へ。姉の紹介で飲食店を数十店舗展開している企業にアルバイトとして入ったところ、社長に気に入っていただいて自分のお店を開いてもらえることになりました。そこでは主に経営的なことをしっかり学ばせていただきましたね。数年後、そろそろ福岡に戻って独立しようと思っていたのですが、先輩からオーストラリアで寿司屋の立ち上げを手伝って欲しいと言われオーストラリアへ行きました。すぐに帰ってくる予定だったのですが、そのお店のオーナーから気に入っていただいて、オーストラリアでも自分の店を出してもらえることになったんです。4年ほどそのお店をやって34歳のときに福岡に戻ってきました。すぐにでもお店を出したくて物件を探したりもしたのですが、福岡の食材や街を知るために居酒屋の立ち上げを1年ほど手伝い、2007年12月に『石堂橋 白つぐ』をオープンさせました。
 
——どのようなお店を目指していらっしゃるのでしょうか。
日本料理からは外れないようにしたいと考えています。中華やイタリアンの厨房にも入ったことがあるのですが、まかないも中華やイタリアンなんですよね。日本人である自分にとって、中華やイタリアンを毎日食べるのはちょっと辛かったんです。逆に中国人やイタリア人にとって、それらは当然のもの。日本人の本能的なものに正直に、料理をつくりたいと思いました。また、自分の理想とするカタチを追求し続けたいという想いがあります。こんな料理をしたいという理想があって、それができるようになったら、次の目標が生まれているんです。その中で一人でも多くの方に評価していただけると嬉しいですね。
 
——料理に関してはどのようにお考えですか?
食材の持ち味が出ていない、何を食べているかわからないというのはダメですね。食材の良さをクリアに表現することを意識しています。また、福岡は山も海も近く、動ける範囲に生産者の皆さんがいらっしゃいます。休日は生産者さんを訪ねたりもしています。
 
——最後に。今後について教えてください。
私自身、この世界で育てていただいたことへの恩返しもしたいですし、後進をしっかり育てたいという想いが強いですね。技術的なことはもちろん、どうやってお客様を喜ばせるかも学んで欲しいですし、将来的には独立したときにビジネス的にも成功して欲しい。将来的には夫婦2人でという気持ちもありますが、今はチーム一丸となって店づくりをしていきたいと考えています。
 
——ありがとうございました。
 
 

料理人として成功するには、実力が求められます。大きく見せたところですぐにバレますからね。なので、まずは技術を磨くことです。技術が身につけば謙虚さや誠実さ、責任感は自ずと身についていきます。この世界は1日1日の積み重ねです。頑張ってください。

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