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Restaurant Sola

2011年3月にパリにオープンし、わずか1年3ヶ月で『ミシュランガイドフランス2012』で1つ星を獲得した『Sola』が、2018年12月に福岡へ。フランスでの実績があるとはいえ、開業から約半年で1つ星を獲得。ジャンルにとらわれない吉武広樹シェフの料理は世界中の人々を魅了している。

博多区 イタリアン・フレンチ

平均予算:12,000円〜

  • #ミシュラン
  • #フランス料理
吉武 広樹

平成12(2000)年/調理師科1年コース

吉武 広樹 氏オーナーシェフ

1980年生まれ、佐賀県出身。中村調理製菓専門学校を卒業後、「ラ・ロシェル」での3年間を含む6年間を日本で過ごしフレンチの基礎を学ぶ。26歳のときに1年間で世界40カ国以上を巡る放浪の旅へ。その後、パリで修業を積み、2009年に「HIROKI88@Infusion」を開店。2011年にはパリに「Sola」を開店すると、1年3ヶ月で「ミシュランガイド フランス」で1つ星を獲得し話題となった。 2014年「RED U-35」第2回グランプリを受賞。

 

——吉武さんが食の世界を志したきっかけを教えてください。
小学生の頃に見たテレビ番組「料理の鉄人」に出演する「ラ・ロシェル」の坂井宏行シェフに憧れたことがきっかけです。
 
——学生時代の思い出はありますか?
正直なところ、あまり真面目な学生ではありませんでしたね。卒業を控えたある日、憧れの坂井シェフが特別講師としてナカムラに来られたんです。といっても、その日も後方の席に座っていたんですけど、友人から「お前があの店入ったら面白いんじゃない?」と言われて。早速先生に相談したんですけど、あまり真面目な学生でなかったこともあり「今のままでは推薦できない」と断られたんです。負けず嫌いな性格もあって、翌日に頭を丸めて学校へ。座学も真面目に受けるようになり、1ヶ月後、学校推薦をいただくことができました。
 
——「ラ・ロシェル」ではどのような修業時代を過ごしたのでしょう?
最初は料理をさせてもらえないんです。1年間はサービスを学びますし、調理場に入らせてもらえても包丁を触ることはありません。同期は10数人いましたが、1年後には半分以下になっていましたね。当時は何を得ていたのか気づきませんでしたが、今思えば、あのときに得たものが自分の礎になっているという実感があるんですよね。あの頃、調理場にいたメンバーは国内外で活躍しています。
 
——その後は、どうされていたのですか?
「ラ・ロシェル」での3年間を含む6年間は日本でフレンチの基礎を学び、26歳で世界を巡る放浪の旅へ出ました。40カ国以上は行きましたね。一度帰国し、その後フランスへ。2009年9月、シンガポールに「HIROKI88@Infusion」をオープンし、2011年3月、パリに『Sola』をオープンさせました。
 
——新たな活動の拠点として福岡を選ばれた理由は?
ロケーションや使いたい食材、これからやっていきたいことなど、複合的に考えた結果、この場所になりました。周りには反対されたんですけど、博多ふ頭は世界中からクルーズ船がやってくる港であり、高速道路や空港からのアクセスもいいことも魅力でしたね。スペインのサンセバスチャンは世界中から美食家が訪れる街として知られていますが、ここ福岡もそのポテンシャルがあると感じています。
 
——パリ時代と福岡へ来られてからの変化はありますか?
福岡はモノづくりをしている人たちとの距離が近いですよね。器やカトラリーを作る人、椅子を作る人などがすぐ近くにいますし、東京のように代理店などを通さなくても直接お願いすることが可能です。
 
——逆に変わらないことはありますか?
食材との向き合い方ですね。同じ食材を使うとなっても、前年と同じレシピでは作りません。1年前にその食材に対して感じていたことと、今年感じることは違いますし、1年間の経験もありますから。常に考えているので1週間後に変わっていることもあります。気温や食材の状態の変化によって感じるものが変わっていきます。
 
——イベントなどへのケータリングやメニューの企画・開発など、幅広い活動をされていますね。
自分たちの成長のため、また新しい感性を得るためには、どんどん外に出ていろんなことを吸収して、このレストランで表現するという、インプットとアウトプットの時間がとても大切だと考えています。他ジャンルの方々と仕事をすることが、僕たちの刺激になります。
 
——今後について教えてください。
レストランに来ていただくのも1つの活動ですが、ケータリングやデリバリーにも力を入れていきたいと思っています。そのために店舗の奥にフードラボを併設しました。九州の食材を用いたメニューを福岡から世界へ届けるといったことも考えています。
 
——ありがとうございました。
 

 

海外に出て感じたのは、日本の飲食はどんぶり勘定のことが多いこと。1ヶ月営業してみて諸々支払い終わった後に利益が出ていれば大丈夫という人が多いように感じます。海外では経営学を学んでいる料理人も多く、ちゃんと計算ができるんです。調理学校に入る人は料理人をめざす人が多いですし、私自身も当時は座学なんてどうでもいいと思っていましたが、経営のことや栄養のことなどもしっかり学ぶことが大切だと思います。頑張ってください。

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