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atelier cuillère(アトリエ キュイエール)

九州産のフルーツや野菜、お茶を使って作る素材感あふれるショコラが人気。福岡・大名のショップのほか、通販や催事などでも販売している。

中央区 スイーツ・カフェ
  • #大名
  • #九州ショコラ
山﨑 陽子

平成12(2000)年/製菓技術科(2年)

山﨑 陽子 氏オーナーショコラティエ

1979年、福岡県糸島市生まれ。ナカムラ卒業後は地元や福岡県内の洋菓子店で経験を重ね、体調を崩し、一時は菓子業界を離れたものの、大手料理教室の講師や九州・中四国エリアの講師育成に携わる。料理教室在籍中からチョコレートの世界に魅了され、講師と並行して受注生産からスタート。2017年12月、ショップを併設したアトリエをオープン。

 

――パティシエを志したきっかけを教えてください。
幼い頃から糸島で育ったので、身近にフルーツがありました。季節ごとに収穫されたフルーツをたくさんいただくのですが、量が多いので、どうにか加工しなくちゃと考え、ジャムづくりに励んでいたんです。それが凄く楽しかったので、そのまま仕事にしたいと考えるようになりました。
 
――ナカムラを選んだ理由は?
地元(福岡)を離れたくなかったことと、高校の先輩がナカムラに進学している方が多く、身近な存在でした。また、実習が多かったというのも魅力でしたね。


 
――学生時代で印象に残っていることを教えてください。
学園祭が印象に残っています。2年生のとき、洋菓子販売の責任者をさせてもらいました。たくさんのお客様が来られるので、製造計画を立てて頑張ったんです。そうやって作ったお菓子を買ってもらえる喜びや面白さを実感できたのが学園祭でした。
 
――卒業後のキャリアを教えてください。
卒業後は「洋菓子工房ケイキチ」(福岡県古賀市)に入社しました。当時、ナカムラに講師として来られていた「ラ・ヴィ・アン・ローズ」の小田さんに紹介していただいたのですが、入社後、1年半ほど経ったときに小麦アレルギーになってしまい、仕事を続けられなくなってしまいました。2年ほど菓子業界から離れて違う仕事をしていましたが、やはり菓子業界で働きたいという想いが捨てきれず、製造ではなく講師であればできると考え、「ABCクッキングスタジオ」で講師として働きながら、九州・中四国エリアの講師の指導員も並行して行なっていました。
 
その頃、東京・丸の内にあった本社に行った際に食べた近所の「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」のチョコレートにとても感動したんです。こんな小さな1粒の中に世界観が凝縮されていることが面白いと感じ、自分でも作りたい!と思うようになりました。それからというもの、メーカー主催の講習会などに積極的に参加するようになりました。
 
そして、講師として活動する傍ら、2016年からは店舗は持たず製造拠点を持ち、ショコラティエとしての活動をスタート。当時は注文販売のみでしたが、2017年12月、「ABCクッキングスタジオ」を退社し、ショップ機能を持つ『アトリエ キュイエール』をオープンさせました。
 
――『アトリエ キュイエール』はどのようなお店ですか?
キュイエールとはフランス語でスプーンという意味。日常生活の中にひとすくいの幸せをプラスするような存在でありたいと考え、名付けました。空間はとにかく明るくしたいと考えました。お客様も、ここで働いている人も気持ちの良い空間であれば、楽しく働けますし、そのような環境でできたものは、自ずと人々を楽しい気持ちにしてくれると思っています。
 
――代表作の九州ショコラについて教えてください。
チョコレートの勉強をしているときに『フレデリック・カッセル』のショップで、産地が異なるバニラで作ったショコラアソートが売られていたんです。同じ食材なのに、産地が異なるだけでここまで味わいや風味が変わることに魅力を感じ、九州産のフルーツでやってみたいと考えるようになりました。
 
――最後に。今後の展望を教えてください。
チョコレートを選べる人を増やしたいと考えています。チョコレート=太ると言われる方も多いですが、素材によって異なります。植物油脂が入っているチョコレートは、就寝前に食べると脂肪になりやすい一方、カカオバターなど、良質なカカオ成分は入眠効果が高まると言われています。同じカカオでも、どのように摂取するかで異なるかといったことを、もっと多くの人に知ってほしいと思っています。また、今の場所が手狭になってきたので、移転を視野に入れており、カフェとショップ、教室を併設したカカオを総合的に楽しめる場所をつくりたいですね。
 
——ありがとうございました。

 

私はお菓子屋さんという仕事に憧れを抱きナカムラに通いましたが、小麦アレルギーになってしまい、この世界を一時断念しました。それでも、好きという気持ちは諦められず、自分ができることをやり続けていたら、自分のお店を持てるようになりました。「好き」「楽しい」という気持ちを持ち続ければ、道は拓けると思います。頑張ってください。

 

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