――パティシエを志したきっかけを教えてください。
料理をすることが好きだったことと、誰かに何かをして喜んでもらえることに喜びを感じていました。また、子どもも大好きだったので、お菓子を作ることで子どもたちに喜んでもらいたいと考え、パティシエを目指すようになりました。漫画『美味しんぼ』の「お菓子と夢」という話が大好きだったことも、この世界を志すきっかけになりました。
――ナカムラを選んだ理由は?
製菓の技術を学べる学校が当時は福岡県内に2つしかなくて、距離的に近かったというのもありますが、当時からナカムラは有名だったので、ナカムラを選びました。
――学生時代で印象に残っていることを教えてください。
学校行事の運営をする実行委員のメンバーになり、友人たちと一緒に学園祭や運動会の運営をしたことが思い出に残っています。また、学校は学びにいくだけでなく、友達をつくりに行く場だと考えていたので、たくさん友達を作りました。同じ道を志す友達ができたことも心強かったですし、今でも同級生たちとは繋がっていて、このお店を作るためにたくさん手伝ってくれました。同窓会の繋がりもできたので、いろいろ助けてもらっています。
――卒業後のキャリアを教えてください。
卒業後は「バニラの実」(大野城市)へ。その後、ヒルトン福岡シーホークへ移りました。最初の1年半ほどはベーカリー部門にいましたが、その後はパティシエとしてケーキを作っていました。2022年2月まで、約20年在籍しましたが、後半の9年間はシェフパティシエとして活動。母校のナカムラへも特別講師として教えに行ったりもしていました。
――パティシエとの経験が長いにもかかわらず、ベーカリーをオープンさせたのはなぜですか?
主にお菓子を作っていましたが、もともとパンが好きで、休日はパン屋巡りをしていました。また、妻もシーホークのベーカリー部門にいたことがあって、独立するときはパティスリーではなく、ベーカリーと決めていました。
――店名の由来を教えてください。
義父の名前からいただきました。私たち夫婦の夢をずっと応援してくれていたのですが、10年ほど前に他界してしまって。義父はとても明るい人で人望も厚く、お通夜に1000人くらい来るような人でした。この店をつくるときに、たくさん人が集まる温かいお店になるといいなという想いで、『KEIZO bakery』と名付けました。
――『KEIZO bakery』はどのようなお店ですか?
安心・安全な材料を使い、お子様からご年配の方まで幅広い人々に届けたいという想いで日々パンを焼いています。大切にしているのは、お客様とコミュニケーションを取ること。常連さんも多いので、お客様との会話することを心がけています。
――今後の展望を教えてください。
店舗展開などは全く考えていなくて、自分たちの目が届く範囲で、地域の人々にずっと愛され続けるお店でありたいと思っています。おじいちゃん、おばあちゃんになるまで続けていきたいですね。
——ありがとうございました。
最後に一言
ナカムラに通っていた頃は、時間を見つけてはパンやケーキのお店を巡っていました。漠然と「パティシエになりたい」「ブーランジェになりたい」と思っている人は、今のうちからホンモノの味を知っておいた方がいいと思います。その上で、どの道に進むかを決めても遅くはありません。あとは、友達を大切にして欲しいですね。一生の大切な友達になっていくので。頑張ってください。