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kashikichi 星の村

菓子職人だった父の背中を追い、同じ道を志すようになったオーナーパティシエの田中秀周さんが、2017年7月にオープン。星野村にちなんだサブレのほか、抹茶や季節のフルーツで作るドリンクも人気を集めている。

九州 スイーツ・カフェ
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田中 秀周

平成26(2014)年/製菓技術科(2年)

田中 秀周 氏オーナーパティシエ

1987年、佐賀県生まれ。パティシエの父のもとで育ち、3歳のときに「お菓子やさんになる」と決意する。高校を卒業後、進学費用を貯めるために愛知県の印刷会社に就職。6年間働き、ついにナカムラに入学。在学中から時々訪れていた星野村との縁ができ、星野村にある飲食店のパティシエを経て2017年7月に『kashikichi 星の村』をオープン。

 

――パティシエを志したきっかけを教えてください。
父が菓子店に勤めていて、3歳のとき、父が忘れていったお弁当を届けることになりました。広々とした作業場の中の仕切られた空間(パイルーム)で父が作業をしていたのですが、そこがとても涼しかったんです。夏のこんな暑い日でも涼しい部屋で仕事ができることに魅力を感じたことが、パティシエをめざす一つのきっかけですね。
 
高校卒業後に製菓の学校に進学しようかと迷いましたが、まずは自分でお金を貯めて、進学しても遅くないと考え、愛知県で食品関連の印刷会社に就職しました。現実は違いましたが(笑)。
 
――ナカムラを選んだ理由は?
6年ほど経った頃、母が病に倒れ、余命宣告を受けました。学生になれば看病しながら学校に通えると考え、福岡に戻ることに決めました。なんだか、帰ってこい!と言われている気がしましたね。福岡の調理学校の中でもナカムラは有名でしたし、自然な流れでナカムラに入学しました。1年生のときに母は他界しましたが、自分が頑張っている姿も見せることができましたし、母を看取ることができたので、帰ってきてよかったと思っています。
 
――学生時代で印象に残っていることを教えてください。
学園祭が印象に残っています。焼き菓子チームの班長になり、夏休みも返上し、アルバイトの時間も割いて準備に没頭。先生方と一緒に組織やタイムスケジュールなどをひたすら考え抜きました。当日はその計画に沿って頑張ったことで史上最高の売上という結果を出せたことは感慨深かったです。あの経験があったからこそ、独立するときも自信が持てました。
 
――卒業後のキャリアを教えてください。
母の死をきっかけに精神的にも落ち込んでしまい、卒業後の修業は順調ではありませんでした。一方、学生時代からドライブで星野村を何度か訪れていたのですが、大水害の後に来たときに、いつもよりも長く星野村を巡ることができました。その時にロールケーキのお店を発見し、お店に入ってみると、ひょんなことからそのお店のオーナーさんと出会い、じっくりとお話させていただきました。「一緒にやりませんか?」と誘っていただいたものの、当時はまだ学生でしたのでお断りしたのですが、その後も折りに触れ「一緒に働こう」というハガキをいただいたりしました。
 
それから2、3年経った頃、ふらりと星野村を訪れてみると、オーナーさんが私のことを覚えてくださっていました。そして、「お菓子部門を任せたい!」と言っていただき、将来独立するという前提でお世話になることにしました。それから2年ほど働かせていただき、「そろそろ独立したい」とオーナーに伝え、星野村に空き店舗が見つかったため、2017年7月、『kashikichi』をオープンさせました。
 
――『kashikichi』はどのようなお店ですか?
できるだけ星野村や近隣の素材にこだわり、お菓子を作っています。星野村はお茶の産地でもあり、量は少ないながらもさまざまなフルーツにも恵まれています。私は佐賀から移住してきましたが、周囲の人々もとても親切で、星野村は人にも恵まれていると感じますね。
 
――最後に。今後の展望を教えてください。
オープン当初は、「どうせ長くは続かないよ」という心無い言葉を言われたこともありましたが、今では県外からもお客様が来てくださるようになりました。これからも星野村の素材を活かし、星野村の仲間たちと協力しながら、星野村の魅力を発信していきたいと思っています。
 
——ありがとうございました。

 

ナカムラ時代の仲間たちは、今も遊びに来たり手伝いに来たりしてくれています。仲間との縁はお金で買えるものではありませんし、学生時代から仲間を大切にしておくことが大切だと思いますね。一人よりも多くの人のアイデアや考え方があった方が、道は拓けるはず。学生時代は仲間との絆を育んでほしいと思います。

 


 

 

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